毎日がヤマバ

~Everyday in the Mountain~

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室堂~五色ヶ原~薬師岳~薬師沢~雲の平~水晶~野口五郎岳~高瀬ダム

 昔風の言い方だとカモシカ山行。今風だと,ファストトレッキング。今年で3回目になるけれど,今年は奥黒部となった。

 当初の行程は,初日に薬師沢小屋に宿泊し,2日目に水晶岳を経由して,針ノ木大雪渓を下りて再び扇沢に戻るという,超強行日程だった。

 コースタイム約20~30時間ほどの行程が2日続くというもの。メンバーはイトコンとすずきちに,職場の同僚のY嬢。今年は4人ということで賑やかだ。

 扇沢から室堂まではトローリーバスとロープゥェイ,ケーブルカーを乗り継いで8時30分くらい着。お盆のスタートという週末とあってたくさんの登山者や観光客で賑わっていた。
 女子高生?と思しき集団がいたのが目に付いた。

 ゆっくりとスタート。約2時間に1回程度の小休止をはさみながら歩く。時間は大体コースタイムの6割くらいで進む。なので,コースタイム3時間分で1回の休憩がやってくると言う感じ。小休止の間隔が長い分消耗が大きいので,補給は歩きながら続けた。
 
 佐々成正が越えたと言う見たままザラザラのザラ峠,人が少なく,なんとも言えない開放感のある五色ヶ原と順調に越えていく。
 しかし,スゴノ頭への登り辺りから前を歩くイトコンの調子がおかしい。いつもなら徐々にペースが上がっていく時間帯なのに,逆にペースが落ちてきていたのだ。息もあがっている。年明けに楓ちゃんが生まれたばかりで,毎日子育てが大変。おまけに膝を壊して十分なトレーニングも出来ていないということで心配はしていたことが,ここにきて現実のものとなってきたようだ。僕を含めて3人と比べてかなりペースが遅れていた。
 時間も押しており,今日予定していた薬師沢小屋に夕食の時間帯に着くのはかなり厳しそうだったので,太郎小屋か,薬師岳山荘でもやむを得ないと頭の中で計画を練り直し始めていた。

 僕自身,昨夜の寝不足と,急に高度を上げた影響で頭がガンガンしている。完全に高山病の症状がでていた。特に2,900メートル前後になると頭痛が激しくなる。

 イトコンはスゴ乗越小屋でリタイヤする決断をした。今日はこの小屋に泊まって,一足はやく黒部湖に下山して扇沢に置いてある車に戻るということだ。メンバーが離脱するというのは寂しい。特にこの行程の立案者であるイトコンのリタイアは残念でならない。

 今日の行程は続く。ここから薬師岳への登りが始まるが,僕自身は,頭痛を除けば体調は良くなってきた。夕闇近づく時間にようやくたどり着いた北薬師。そこから見た薬師岳のカールは感動もので,すっかり薬師岳ファンになってしまった。

2108

 緩い下りを終えて,なお続く道を,ギリギリヘッドランプを出す前に,太郎小屋にたどり着いた。

小屋は,夕食の時間が終わっているというのに暖かく迎えてくれた。あらかじめ,途中の薬師岳山荘から無線で連絡してもらっていたこともあって,僕たちが遅い時間に着くことを予定してくれていたようだ。遅い時間に着いて迷惑をかけているのに,しっかりサポートしてくれてとても心強い限りだ。
 小屋の面々も多士済々だった。基礎スキー界では,全国トップレベルのスキーヤー。マラソン界では,年齢別ランキングで5●才女子で1位のおばさん。なんと,今も3時間15分を切るタイムでマラソンを走ると言う。着ているTシャツには,東京マラソンと書いているので,聞いてみると,人気の東京マラソンではなく,東京“国際”マラソンとのこと。確かに良く見れば“国際”が入っているではないか。失礼しました。
 楽しい小屋での夕食は,山の上とは思えないほどバラエティーに富んでいた。でも何より塩分の不足した体には,味噌汁がこの上なく美味しかった。

 
 2日目。4時過ぎに出発。まずは薬師沢まで下りて,今度は雲の平まで上り返し。僕はこの傾斜の登りが好きだ。ひたすら急な傾斜を400~500メートル一気に登る。昨日の頭痛も消え,睡眠もしっかりとっている。
 ほかの2人も元気そうだ。

 雲の平は,噂に違わぬ空中庭園ぶり。快晴である。槍穂はもちろん,笠ヶ岳,北は立山まで,くっきりはっきり見えている。まさに360度,日本を代表する山並が続くのである。
 しかし,ここが正に空中庭園であるということをはっきり確信したのは,後に,少し離れて水晶岳から見返した時であった。周りの山並みの凸凹にぽっかりと, 島のごとく浮かびだした平らな空間。まさに雲の平であった。

 しばしの休息の後,裏銀座の稜線へ。勇ましくも美しい鷲羽を横目に水晶への道を急ぐ。一度登ってみたいと思いながら,一度も登れず,また今回も見送りである。
 水晶岳は水晶小屋から小1時間のピストンになるので,僕一人で往復する。残り2人は先を急いで野口五郎岳へ。
 水晶岳からは昨日歩いてきた長い長い稜線を眺め渡すことが出来る。そして,昨日感動した薬師岳のカール。此処から見ても毅然としていて,北アルプスの女王と呼ばれているだけの堂々たる構えである。改めて素晴らしい山であることを実感した。

 先を急ぐ。二人には野口五郎への最後の登りで追いついた。ガスが出始め,少し気温も下がってきている。野口五郎の小屋で小休止。カップめんとある。迷わず暖をとることにした。どうして山で食べるカップめんはこんなに美味しいのか。10のうち3まで減っていた体力が5まで一気に回復した。
 
 扇沢までの道は諦めた。イトコンの携帯の留守電に七倉まで車の回送をお願いした。稜線のアップダウンに苦しみながらも,コマクサの可憐さに救われる。周りが砂地で無機質ななかに孤立して咲くこの花は,こじんまりした様もさることながら,その健気さに心洗われる。

 少しだけの登りにも息が切れ,筋肉が悲鳴をあげている。烏帽子小屋への登りは,あと少しという思いもあり,でもなかなか着かないという拷問のような辛さがあった。
 とは言うものの,烏帽子小屋から高瀬ダムに向かう急な下りは更なる拷問であった。はるか下にダム湖のエメラルドグリーンが目に入る。あそこまで下ればと勇気が湧くものの,一向に近づかないのである。そりゃそうだ。1400メートルの標高差があるのだから。
 途中からは遠く下を見ないようにした。足元だけを見て,着実に進もうと。
 
 最後に,河原に出た。と,ここから更に河原歩きを1キロほど。いつ果てるとも知れないゴールへの道を,ほとんど無意識に歩いた。
 そして最後のトンネルを抜けて高瀬ダムに飛び出した。烏帽子小屋から予約しているタクシーが待っている。
 しっかし,こんな辺鄙なところにも観光客は来ているものだ。すっかり疲れ果てた顔で歩いていると,これからトンネルに入らんとする観光客から哀れみの目で見られる・・・と,一人の若い女性と目があった。「お疲れ様です。ずっと歩いてきたんですね。すごいですね。」と言われた。どこから来たという訳でもなく,何時間歩いたと言うわけでもないけど,とても心が温まった。

 タクシーに乗り込んだ。山の中での2日間のうちに,のりピーがどうなったのかがもっぱらの話題であったが,それは運転手によって一瞬に答えがもたらされたのであった。

 
 
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  1. 2009/08/10(月) 09:26:55|
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